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ストック収入とは?フロー収入との違いと作り方・安定ビジネスの一覧

新規事業・多角化

毎月の収入が読めない不安から、積み上がる収入源を持ちたいと考える方は増えています。ところが調べてみると、出てくるのは似たような説明ばかりで、肝心の「本当に安定するのか」「自分の元手で何ができるのか」という疑問には答えてくれません。

本記事では、ストック収入とフロー収入の違いから始めて、代表的なビジネスの一覧、元手の小さい順に並べた作り方、増して安定性を数字で測る方法までを整理します。あわせて、あまり語られない弱点にも触れました。判断材料としてぜひ参考にしてください。

ストック収入とは?フロー収入との違い

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まずは言葉の意味と、フロー収入との違いを押さえましょう。両者の差は「一度きりか、続くか」だけではありません。翌月の売上の見え方、集客コストのかかり方、そして経営判断のしやすさまで変わってきます。ここを理解すると、自分がどちらを増やすべきかが見えてきます。

ストック収入とは継続して入り続ける収入のこと

ストック収入とは、契約や仕組みが続く限り、毎月入り続ける収入のことです。月額課金のサービス、賃貸物件の家賃、保守契約の料金などが代表例です。

一方のフロー収入は、商品やサービスを提供したそのときに得られる収入を指します。物販、受託の制作費、単発の施術料金などが当てはまります。なおストック収入は会計上の正式な用語ではなく、実務の現場で使われるようになった呼び方です。書き手によって指す範囲が少し違う点だけ覚えておいてください。

違いは「翌月の売上の見え方」に出る

最も大きな違いは、翌月の売上が読めるかどうかです。フロー収入は、毎月ゼロから積み上げ直す構造になります。今月100万円を売っても、来月また同じ努力をしなければ売上は立ちません。

対してストック収入は、今月の契約者数がそのまま来月の土台になります。新規の獲得は土台への上乗せです。集客コストのかかり方も変わります。フロー型は広告を止めれば売上も止まりますが、ストック型では一度獲得した顧客が続く限り追加の獲得費用はかかりません。

項目 フロー収入 ストック収入
翌月の売上 ゼロから積み直す 既存契約が土台になる
単価 高く設定しやすい 低めになりやすい
立ち上がり 早い 遅い
集客コスト 売上と連動して発生し続ける 継続するほど相対的に軽くなる
主なリスク 受注が途切れる 解約が積み重なる

どちらが優れているという話ではない

ストック型を勧める記事は多いのですが、フロー型が劣っているわけではありません。フロー型は単価を高く設定でき、立ち上がりも早いという明確な利点があります。受注さえ取れれば、翌月から現金が入ります。

一方でストック型は、収益が積み上がるまでに時間を要するのが弱点です。始めてすぐの数か月は、売上が固定費を下回るのが普通でしょう。現実的なのは、フロー型で当面の現金を確保しながら、その裏でストック型を育てる形です。どちらか一方に寄せる必要はありません。

代表的なストック型ビジネス一覧

ストック収入を生む事業には、いくつかの型があります。ここでは代表的な4つを、仕組みの違いがわかる形で紹介します。同じストック型でも、必要な元手と手のかかり方はまったく違うものです。自分が出せる資金と時間に合うものを探しながら読んでみてください。

サブスクリプション型

商品やサービスを定額で継続的に提供する形です。動画や音楽の配信サービス、ソフトウェアの月額利用、食品や日用品の定期便などが該当します。

強みは、利用者が増えるほど1件あたりの提供コストが下がりやすい点です。特にデジタルのサービスでは、追加の1人に届けるコストがほとんどかかりません。反面、比較されやすく解約もされやすいため、使い続ける理由を作り込む必要があります。

会員制・月額サービス型

店舗や施設に通ってもらう形の継続課金です。スポーツジム、学習塾、ヨガスタジオ、月額制の美容サービスなどが当てはまります。

サブスクリプション型との違いは、来店という行動が挟まる点です。通う習慣そのものが継続の理由になるため、いったん定着すると解約されにくくなります。一方で店舗の家賃や人件費という固定費を抱えるため、会員数が損益分岐点に届くまでの資金を用意しておく必要があります。

賃貸・設備型

保有する資産を貸し出して収入を得る形です。不動産の賃貸、駐車場、トランクルーム、コインランドリー、太陽光発電などが挙げられます。

一度仕組みを作れば運営の手間が比較的少ない点が魅力です。ただし初期投資は大きく、立地の選定を誤ると挽回が難しくなります。加えて設備には寿命があり、数年ごとに修繕や入れ替えの費用が発生します。利回りを見るときは、この再投資を差し引いた後の数字で判断してください。

デジタル資産型

いちど作ったコンテンツが、その後も収益を生み続ける形です。ブログやメディアの広告収入、有料note、電子書籍、写真や音楽素材の販売などが当てはまります。

初期費用がほとんどかからず、失敗しても損失が限定的な点が最大の利点でしょう。反面、収益化までに年単位の時間がかかり、検索エンジンやプラットフォームの方針変更で収入が大きく動くリスクを抱えます。1つの土俵の上だけに資産を積まない設計が求められます。

ストック収入の作り方|難易度順の4段階

種類がわかったら、次は始め方です。ここでは必要な元手の小さい順に4段階へ並べました。元手が小さいほど失敗したときの損失も小さく、着手のハードルが下がります。いきなり大きな投資をする必要はありません。自分がいまいる段階から始めてください。

難易度1:デジタル資産から始める

最も始めやすいのがデジタル資産型です。ブログ、note、動画、素材販売などは、初期費用が数万円以内に収まります。事業をまだ持っていない方でも、今日から着手できます。

この段階の目的は稼ぐことではありません。続けられるかどうかを自分で確かめることです。多くの方はここで脱落しますが、半年から1年続けられた時点で、次の段階に投資する判断材料が手に入ります。適性の確認を、お金ではなく時間で払う段階だと考えてください。

難易度2:いまの顧客に月額サービスを足す

既に事業や顧客をお持ちなら、こちらの方が早く形になります。既存のお客さまに向けて、月額の保守契約、定期便、サポートプランなどを用意する方法です。

新規の集客が不要なため、追加の投資はほとんどかかりません。すでに信頼を得ている相手への提案になる点も有利に働きます。まずは取引の長いお客さまから順に、月額で受けたいサービスがあるか聞いてみるところから始めてみてください。

難易度3:店舗を構えて会員制にする

数百万円規模の投資ができる段階になると、店舗型の会員制サービスが選択肢に入ってきます。ジム、教室、美容系のサービスなどが該当します。

ここから先は、家賃と人件費という固定費を毎月背負う立場になるでしょう。損益分岐点を先に計算しておいてください。月の固定費を粗利率で割れば、必要な売上高が出ます。固定費60万円で粗利率80%なら、必要な売上高は75万円です。この数字に届く会員数を集められるかが判断の分かれ目になります。

難易度4:不動産や設備に投資する

最も元手が要るのが賃貸・設備型です。数百万円から数千万円の資金と、立地を見極める目が求められます。

一方で運営の手間は少なく、軌道に乗れば長く安定します。融資を使う場合は、空室や稼働率の低下を織り込んだうえで返済計画を立ててください。表面の利回りだけで判断すると、修繕の時期に手元の現金が足りなくなりかねません。

ストック収入の安定性を測る2つの指標

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ストック収入は安定していると言われます。しかしその安定を数字で確かめた記事はほとんどありません。安定しているかどうかは、感覚ではなく指標で判断できます。ここでは実務で使われる2つの指標と、始めた直後に必ず訪れる資金の谷について整理します。

解約率で顧客が入れ替わる速さがわかる

解約率は、一定期間にどれだけの顧客が離れたかを示す数字です。ある月の初めの顧客数のうち、その月に解約した人数の割合で計算します。100人の会員のうち5人が解約すれば、月次の解約率は5%です。

この数字が持つ意味は小さくありません。月次解約率5%なら、単純計算で20か月ほどで顧客がすべて入れ替わります。つまり毎月5人を新規で獲得し続けないと、会員数は減っていきます。「一度獲得すれば安定して入り続ける」というイメージとは、かなり違う実態が見えてくるでしょう。

LTVで顧客1人あたりの価値を見積もる

もう1つの指標がLTVです。顧客生涯価値と訳され、1人の顧客が契約している間に生む売上の総額を指します。月額料金と平均継続期間を掛け合わせれば、おおよその値が出せます。

月額1万円で平均20か月継続するなら、LTVは20万円です。この数字がわかると、1人の顧客を獲得するのにいくらまで広告費をかけてよいかが決まります。LTVを下回るコストで獲得できているうちは、投資を続ける合理性があるという判断になります。

初期の谷を資金計画に織り込む

指標と並んで大切なのが、始めてからしばらく続く赤字の期間です。ストック収入は積み上がるまでに時間がかかるため、支出が収入を上回る時期が生じるのが普通です。

この谷の深さは「初期投資額+月々の固定費×黒字化までの月数」で見積もれます。固定費が20万円で黒字化まで10か月かかると見るなら、初期投資とは別に200万円の余力が要る計算です。現金が尽きれば、どれだけ良い仕組みでも続けられません。始める前に、この谷を数字で置いてください。

ストック収入の落とし穴

安定という言葉は魅力的ですが、放っておいて続くものではありません。多くの解説記事はデメリットとして「時間がかかる」「初期費用が高い」の2つを挙げて終わりますが、実際に運営すると別の課題が現れます。始める前に知っておきたい弱点を3つに絞って挙げました。あらかじめ想定しておけば、対処のしようがあるものばかりです。

積み上がるものは同じ速度で崩れる

積み上がる仕組みは、逆回転も起こします。新規獲得が止まった状態で解約だけが続けば、会員数は坂を下るように減っていきます。しかも売上が減り始めてから気づくため、対応が後手に回りがちです。

対策は単純で、解約率を毎月測ることに尽きます。売上の増減より先に、解約率の悪化の方が早く現れるためです。

値上げがしにくい

継続課金は、価格を上げる際の抵抗が大きくなります。都度払いなら「今回は買わない」で済みますが、月額サービスの値上げは既存の会員全員に通知され、解約を検討する機会をつくってしまうからです。

原価が上がっても価格に転嫁しづらい構造は、利益率をじわじわ削ります。安く始めて後から上げる計画は、思い描いたとおりには進まないと考えておきましょう。最初から採算の取れる価格に設定するほうが、結果的に無理がありません。

設備は定期的な再投資が必要になる

賃貸・設備型で見落とされやすいのが、更新費用です。機器には寿命があり、数年ごとに修繕や入れ替えが発生します。この費用は、安定して入っているはずの収入から支払うことになります。

事業計画には、必ず再投資の欄をつくってください。表面上の利回りだけで判断すると、更新時期に手元の現金が足りない事態を招きかねません。

店舗型ストックビジネスの例|月額会員制サロン

ここまで見てきた型のうち、店舗を軸に継続課金を組み立てるのが会員制・月額サービス型です。既存の事業に足す選択肢としても、これから独立して始める選択肢としても検討されています。なかでも近年広がっているのが、美容系の月額会員制サロンです。どんな仕組みなのかを具体的に見ていきましょう。

なぜ店舗型は月額会員制と相性がよいのか

店舗を構える事業は、家賃という固定費を毎月支払います。だからこそ、売上も毎月入る形にそろえるほうが計画を立てやすくなります。都度課金だと、固定費は毎月出ていくのに売上は月ごとに揺れるという、ちぐはぐな構造になるためです。

さらに来店という行動が挟まることで、通う習慣そのものが継続の理由になります。空いている区画や時間帯があるなら、そこに会員制のサービスを足すだけで、初期投資を抑えたまま継続課金の収入源を追加できるでしょう。

これは独立して1店舗から始める場合も同じです。毎月出ていく家賃に対して、毎月入る会費で受ける形にしておけば、開業した直後から収支の見通しが立ちます。副業や独立の入口として検討される理由も、この読みやすさにあります。

月額1万円通い放題というモデル

具体例として、セルフホワイトニングサロンを展開するecxiaは、エンドユーザー向けに月額1万円の通い放題モデルを採用しています。施術をお客さま自身が行うため人手が少なくて済み、数坪から始められる点が特徴です。一人でも運営でき、同社は未経験からの開業を想定した業務マニュアルと研修を用意しているとしています。

フランチャイズの条件は、加盟金110万円(税込)、機材1台44万円(税込)、初期費用の目安は400万〜500万円としています。ロイヤリティは機材1台につき月額5.5万円(税込)の定額制とのことです。売上歩合ではないため、会員数が積み上がった分はそのまま自社に残る計算になります。

検討するときに確認したいこと

こうしたモデルを検討する際は、数字を自分の計画に当てはめて確かめてください。会員数が何人になれば固定費を回収できるのか、解約率をどれくらいで見込むのか。この2つを置けば、必要な集客数が具体的に見えてきます。

会社員から独立する場合は、あわせて手元の現金も確認しておきましょう。初期費用に加えて、会員数が積み上がるまでの運転資金が要ります。先に触れた初期の谷を、生活費とは別枠で用意できるかが判断の分かれ目になります。

フランチャイズに加盟する場合は、ロイヤリティが売上歩合か定額か、契約期間と中途解約の条件はどうなっているかを、口頭ではなく書面で確認しましょう。良い数字は向こうから提示されますが、不利な条件は自分から聞く必要があります。

まとめ:ストック収入は仕組みと数字で育てるもの

ストック収入とは、契約や仕組みが続く限り入ってくる収入のことです。フロー収入と比べて翌月の見通しが立てやすい一方、積み上がるまでに時間がかかり、解約が続けば同じ速度で崩れていきます。安定は自動的に手に入るものではなく、解約率とLTVを測りながら育てていくものだと考えてください。

型のなかでも、月額会員制の店舗サービスは、既存事業への追加としても独立の第一歩としても選ばれています。少ない人手で運営でき、継続課金にしやすい形だからです。ecxiaは月額1万円の通い放題モデルを採用し、フランチャイズのロイヤリティを機材1台につき月額5.5万円(税込)の定額制としています。同社の公表によれば、業務マニュアルの提供、週1回の勉強会、月1回の進捗面談といった伴走体制も用意しているとのことです。

どの形を選ぶにせよ、判断の順番は変わりません。初期の谷の深さを見積もり、解約率の想定を置き、その前提で採算が合うかを確かめる。この手順を踏めば、勧誘の言葉ではなく自分の数字で決められます。具体的な収支を第三者と検証したい場合は、資料請求や事業説明会を活用するのも1つの方法です。納得のいく形で、無理のない一歩を踏み出しましょう。