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美容サロンの開業資金はいくら?自宅サロン・テナント別の内訳と抑え方

資金・収益

「美容サロンを開業したいけれど、数百万〜1,000万円もかかるなんて無理かもしれない」。相場を調べて、そんなふうに諦めかけていませんか。手元の貯金との差に落ち込むのは、決してあなただけではありません。

ただし、美容サロンの開業資金は、どの業態を選ぶか、何にお金をかけるかによって大きく変わります。自宅サロンなら100万円前後から始められるケースもあり、テナントとでは必要な金額に大きな差があるのです。

この記事では、業態別の初期費用と運転資金の目安、削れる費用と削ってはいけない費用、足りない資金の集め方までをわかりやすく解説します。

美容サロンの開業資金で諦めないために|最初に知っておきたい3つの基本

開業資金について調べ始めると、大きな金額ばかりが目に入り、不安がふくらみがちです。しかし、相場の数字をうのみにする前に、押さえておきたい基本があります。

ここでは、相場の数字との向き合い方、開業資金の2つの分け方、開業に必要なものの全体像という3つの基本を紹介します。最初に全体像をつかんでおけば、自分に必要な金額を落ち着いて見積もれるようになるでしょう。

相場記事の「数百万〜1,000万円」は、すべての人に当てはまる金額ではない

相場記事で見かける「数百万〜1,000万円」は、あくまで一つの目安にすぎません。必要な金額は、業態やお店の規模によって大きく変わるためです。

たとえば、駅前のテナントを借りて内装を一からつくる場合と、自宅の一室で始める場合とでは、かかるお金がまったく違います。テナントでは物件を借りる費用や工事費がかさみますが、自宅なら家賃も工事費もほとんどかかりません。

「500万円以上ないと開業できない」と思い込んで、夢をあきらめる必要はないのです。まずは相場の数字をいったん脇に置き、自分が始めたいサロンの形に合わせて、必要な金額を考えてみましょう。

開業資金は「初期費用」と「運転資金」の2つに分けて考える

開業資金は、「初期費用」と「運転資金」の2つに分けて考えるのが基本です。この2つを混同すると、開業後にお金が足りなくなるおそれがあります。

種類 支払うタイミング 主な中身
初期費用 開業前に一度だけ 物件を借りる費用、内装工事費、機材・備品の購入費
運転資金 開業後に毎月 家賃、広告費、材料費、光熱費、自分の生活費

よくある失敗が、貯金のほとんどを初期費用に使ってしまうケースです。開業直後はお客様が少なく、売上だけでは毎月の支払いをまかなえないことも珍しくありません。

初期費用を抑えられても、運転資金が尽きればお店を続けられなくなります。開業資金を見積もるときは、必ず2つを合わせて計算し、手元にお金を残す計画を立ててください。

美容サロン開業に必要なもの一覧|お金がかかるもの・かからないもの

美容サロンの開業には、お金以外にもさまざまな準備が必要です。予算オーバーを防ぐためにも、まずは全体を一覧で確認し、どこにお金がかかるのかを把握しておきましょう。

必要なもの お金がかかるか ポイント
施術する場所(物件) かかる 業態によって金額が大きく変わる
美容機器・ベッド・ワゴン かかる リースや中古で抑えられる
タオル・消耗品などの備品 かかる 最低限の量から始められる
予約の仕組み 無料〜有料 無料の予約ツールもある
SNS・Googleビジネスプロフィール 無料 開業前から発信を始められる
開業届 無料 税務署に提出する
損害賠償責任保険 かかる 施術中の事故に備える

すべてを新品でそろえる必要はありません。優先順位をつけて準備を進めましょう。なお、提供するメニューによっては、保健所への届出が必要になる場合もあります。開業前に、自分のメニューに必要な手続きを確認しておくと安心です。

【業態別】美容サロンの開業資金を比較|自宅サロン・レンタルサロン・テナント・フランチャイズ

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美容サロンの開業資金は、どの業態を選ぶかで大きく変わります。家賃がかからない自宅サロンと、物件を借りて一からお店をつくるテナントとでは、必要な金額に数倍の差が出ることもあります。

ここでは、自宅サロン、レンタルサロン、テナント、フランチャイズの4つの業態について、初期費用と運転資金の目安を比べます。それぞれの特徴を知り、自分の資金と働き方に合う業態を見つけましょう。

【比較表】4つの業態の初期費用と運転資金の目安

まずは、4つの業態を一覧で比べてみましょう。金額は地域や物件、設備によって変わるため、大まかな目安として参考にしてください。

業態 初期費用の目安 毎月の運転資金 向いている人
自宅サロン 70万〜100万円程度 少ない(家賃なし) 固定客がいて、小さく始めたい人
レンタルサロン 機材・備品の費用が中心 利用した分の料金 まずは試しに開業してみたい人
テナント 200万〜600万円程度 多い(家賃・光熱費など) 資金があり、自分のブランドを一から作りたい人
フランチャイズ 本部によって大きく異なる 家賃などに加え、本部への支払い 経営の経験がなく、仕組みを使いたい人

自宅サロンとテナントの金額は、エステサロンを開業する場合の一般的な目安です。表のとおり、初期費用が大きい業態ほど、毎月の固定費も重くなる傾向があります。今の貯金額と、毎月の支払いにどこまで耐えられるかを軸に考えると、選ぶべき業態が絞り込みやすくなるでしょう。

自宅サロン・マンションサロン|家賃がかからず小さく始めやすい

自宅の一室を使う自宅サロンは、4つの業態の中でもっとも小さく始めやすい形です。家賃や敷金・保証金がかからないため、主な出費は機材と備品、内装の手直し程度に抑えられます。

初期費用の目安は70万〜100万円程度です。自宅とは別にマンションの一室を借りてサロンにする場合は、物件を借りる費用がかかるため、150万〜200万円ほどが目安になります。

ただし、賃貸物件で開業する場合は注意が必要です。住むための契約のまま無断で営業すると、契約違反として退去を求められるおそれがあります。

  • 賃貸物件は「事業利用可」「SOHO可」かを契約書で確認し、大家さんや管理会社の許可を得る
  • 分譲マンションは、管理規約で店舗営業が禁止されていないかを確認する
  • 生活感が出ないよう、施術スペースと生活スペースを分ける

看板を出しにくいため、集客はSNSや口コミが中心です。すでに固定客がいる人や、家事・育児と両立したい人に向いています。

レンタルサロン|使った時間だけ支払い、家賃を抱えずに始められる

レンタルサロンは、施術用の個室を時間単位や月単位で借りられるサービスです。物件の契約も内装工事も不要なため、初期費用は機材や備品の準備程度で済みます。

最大の魅力は、家賃という大きな固定費を抱えずに開業できる点です。予約が入った時間だけ借りる使い方なら、お客様が少ない月の負担も小さく抑えられます。

ただし、注意したい点もあります。

  • お客様が増えるほど、利用料が売上に対して割高になる場合がある
  • 希望の日時に部屋を予約できないことがある
  • 大型の機材を置けず、提供できるメニューが限られる場合がある

固定客が増えて売上が安定してきたら、自宅サロンやテナントへの切り替えも検討するとよいでしょう。まずは試しに開業してみたい人に向いている形です。

テナント|物件取得費と内装工事費が大きな割合を占める

テナントを借りて開業する方法は、立地や内装、メニューをすべて自分で決められる、自由度の高い形です。人通りのある場所に看板を出せるため、通りがかりのお客様も期待できます。

その分、開業資金は大きくなります。初期費用の目安は200万〜600万円程度で、地域や物件の広さによって差が出ます。特に大きな割合を占めるのが、物件を借りるための費用と内装工事費です。

内装が何もない状態の物件を借りると、床や壁、水回り、電気の工事まで一からする必要があり、費用がふくらみやすくなります。開業後も、毎月の家賃や光熱費は売上に関係なく発生します。

自分のブランドを一から育てたい人や、ある程度の資金と集客の計画がある人に向いている形です。開業資金だけでなく、毎月の家賃を払い続けられるかも含めて判断してください。

フランチャイズ|加盟金などの費用と本部のサポートをセットで考える

フランチャイズは、本部と契約を結び、本部のブランド名や運営ノウハウを使ってお店を開く仕組みです。開業資金には、物件や機材の費用に加えて、本部に支払う費用が含まれます。

一般的に、次のような費用がかかります。

  • 加盟金(契約時に本部へ支払うお金)
  • 研修費(開業前の研修にかかるお金)
  • ロイヤリティ(加盟後に本部へ支払い続けるお金)

一見すると出費が増えるように思えますが、集客の方法や接客の流れ、機材の選び方などを本部から教わることができます。自己流での集客に不安がある人にとっては、心強い選択肢になるでしょう。

ロイヤリティには、売上の一定割合を支払う方式と、金額が決まっている定額の方式があります。費用の金額だけで判断せず、「その費用でどんなサポートを受けられるか」をセットで比べることが大切です。

参考:マネーフォワードクラウド会社設立「エステサロンを開業するには?手続きや資金、成功のための準備を解説」
https://biz.moneyforward.com/establish/basic/53696/

美容サロン開業資金の内訳|削れる費用と削ってはいけない費用

開業資金を抑えるためには、何にいくらかかるのかを知り、削る場所を見極めることが大切です。ただし、すべての費用を一律に削ればよいわけではありません。

削りすぎると、安全面のトラブルや、お客様が集まらない事態を招くおそれがあります。ここでは、物件取得費・内装工事費・美容機器・広告費の4つについて、削れる費用と削ってはいけない費用を整理します。最後に一覧表でまとめるので、見直しの参考にしてください。

物件取得費|広さと立地を見直せば削れる

物件取得費は、テナントやマンションを借りるときに最初に支払うお金です。主に、次のような費用が含まれます。

  • 敷金・保証金(退去時に一部が戻ってくる預け金)
  • 礼金(大家さんに支払うお礼のお金)
  • 仲介手数料(不動産会社に支払う手数料)
  • 前払いの家賃(入居する月などの家賃)

これらは家賃をもとに計算されることが多く、家賃が高いほど金額も大きくなります。そのため、物件の広さと立地を見直すことが、物件取得費を削るいちばんの近道です。

たとえば、一人でベッド1台を使って施術するなら、広い物件は必要ありません。駅から徒歩1分の場所にこだわらず、少し離れた落ち着いたエリアまで候補を広げるだけで、家賃が下がることもあるでしょう。お店のコンセプトに合った、ちょうどよい広さと立地を見極めてください。

内装工事費|居抜き物件で削れても、水回り・電気・防音は削ってはいけない

内装工事費は、テナントで開業する場合に大きな割合を占める費用です。削る方法としてまず検討したいのが、居抜き物件の活用です。

居抜き物件とは、前のお店の内装や設備が残ったまま借りられる物件を指します。同じ美容系のお店だった物件なら、手を加える部分が少なく、工事費を抑えられる場合があります。壁紙や照明など、見た目に関わる部分を控えめにするのも一つの方法です。

一方で、次のような部分は削ってはいけません。

削ってはいけない部分 削った場合に起こりうること
水回り 施術中にお湯が出ない、手洗いが不便になる
電気の容量 機器を同時に使うとブレーカーが落ちる
防音 隣の部屋の音が響き、お客様がくつろげない

これらはお客様の安全や衛生、快適さに直結します。後から工事をやり直すと、かえって費用がかさむこともあるため注意しましょう。

美容機器・備品|リースや中古で削れても、安全性と保証は妥協しない

美容機器は高額なものが多く、新品を一括で購入すると初期費用が大きくふくらみます。費用を抑える方法には、主に次の3つがあります。

方法 特徴 注意点
リース 月々の支払いで借りられる 支払いが長く続き、総額は割高になりやすい
レンタル 短期間から借りられる 長く使うと費用がかさむ
中古購入 新品より安く買える 故障のリスクや保証の有無を確認する

ただし、安さだけで機器を選ぶのは危険です。施術中に機器が故障すれば、営業を止めるだけでなく、お客様にやけどなどのけがをさせるおそれもあります。一度の事故で、お店の信用を大きく損なうことにもなりかねません。

購入先を選ぶときは、次の点を確認しましょう。

  • 保証の期間と内容
  • 故障したときの修理や、代わりの機器の手配
  • 安全な使い方についての説明

お客様の肌や体に触れる機器こそ、品質には妥協しないことが大切です。

広告・集客費|無料のSNSで削れても、開業直後の集客と予約の仕組みには費用をかける

広告・集客費は、工夫しだいで削りやすい費用です。InstagramなどのSNSやGoogleビジネスプロフィールは、無料でお店の情報を発信できます。開業前から投稿を始めておけば、オープン時点で興味を持ってくれる人を増やせるでしょう。

一方で、「SNSだけで集客するから広告費はゼロ」という計画は危険です。お店を開いても、存在を知ってもらえなければお客様は来ません。予約が入らないまま、毎月の家賃だけが出ていく状態になってしまいます。

開業直後は、次のようなところに費用をかけることを検討しましょう。

  • 予約サイトへの掲載
  • Web広告や、近隣へのチラシ配布
  • 24時間予約を受け付けられる予約の仕組み

せっかく興味を持ってくれた人を取りこぼさないためにも、集客と予約の仕組みには必要な投資をしてください。

【一覧表】削れる費用・削ってはいけない費用のまとめ

ここまでの内容を、一覧表で整理します。開業資金を見直すときのチェックリストとして活用してください。

費用の種類 削れる費用・削り方 削ってはいけない費用
物件取得費 広さと立地を見直す、自宅やレンタルサロンを使う ―
内装工事費 居抜き物件を選ぶ、装飾を控えめにする 水回り、電気の容量、防音
美容機器・備品 リース・レンタル・中古を活用する 安全性、保証、修理の体制
広告・集客費 SNSやGoogleビジネスプロフィールを活用する 開業直後の集客、予約の仕組み
保険 ― 損害賠償責任保険

見落としやすいのが保険です。施術中にお客様の肌にトラブルが起きた場合などに備え、損害賠償責任保険には加入しておきましょう。万一のときに大きな負担を背負わないための、大切な備えです。

美容サロンの運転資金はいくら必要?損益分岐点と回収期間で考える

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初期費用の見積もりができたら、次は開業後に毎月かかる運転資金を考えます。運転資金は見落とされやすい一方で、お店を続けられるかどうかを左右する大切なお金です。

売上が入る前に手元のお金が尽きてしまえば、せっかく開いたお店を続けられません。ここでは、運転資金に含まれるものと用意する期間の目安を紹介します。あわせて、「月に何人来れば赤字にならないか」「初期費用を何か月で取り戻せるか」の計算方法も、具体的な数字で解説します。

運転資金に含まれるもの|家賃・材料費・広告費・光熱費・自分の生活費

運転資金とは、お店を開いたあとに毎月かかるお金のことです。売上が安定するまでの間、この運転資金で支払いをまかなうことになります。

主に、次のような費用が含まれます。

費用 中身
家賃 テナントやマンションの賃料、レンタルサロンの利用料
材料費 施術で使う化粧品や消耗品
広告費 予約サイトの掲載料、チラシの印刷代
光熱費・通信費 電気代、水道代、インターネット代
自分の生活費 家賃や食費など、暮らしに必要なお金

見落としがちなのが、自分の生活費です。個人でサロンを開く場合、お店の利益がそのまま自分の収入になります。生活費を計算に入れ忘れると、お店は回っていても暮らしが苦しくなり、経営にも影響が出かねません。必ず運転資金に含めて考えておきましょう。

運転資金は何か月分用意する?お客様が定着するまでの期間から考える

運転資金は、6か月分程度を目安に用意しておくと安心です。開業してすぐに売上が安定するとは限らず、お客様が定着するまでには一定の期間がかかるためです。

開業直後は、お店の存在を知る人がまだ少なく、予約も思うように入らないことがあります。初めて来たお客様がリピーターになり、口コミが広がるまでには、数か月かかることも珍しくありません。

たとえば、家賃や材料費、生活費などを合わせた毎月の支出が30万円なら、6か月分で180万円が目安になります。

毎月の支出 3か月分 6か月分
20万円 60万円 120万円
30万円 90万円 180万円

売上が安定するまでの期間を乗り切れるよう、最初から大きな売上を当てにせず、余裕を持って準備しておきましょう。

損益分岐点|月に何人来れば赤字にならないかを計算する

損益分岐点とは、赤字と黒字の境目になる売上のことです。「月に何人のお客様が来れば赤字にならないか」がわかれば、開業後の目標を具体的に立てられます。

計算に使うのは、次の3つの数字です。

  • 毎月の固定費(家賃、広告費、光熱費など、お客様の数に関係なくかかるお金)
  • 客単価(お客様1人あたりの料金)
  • 1人あたりの材料費

計算の手順は、まず客単価から材料費を引き、お客様1人から残るお金を出します。次に、毎月の固定費をその金額で割れば、必要な人数がわかります。

毎月の固定費 客単価 1人あたりの材料費 1人から残るお金 赤字にならない人数
20万円 8,000円 1,000円 7,000円 月29人
35万円(生活費15万円を含む) 8,000円 1,000円 7,000円 月50人
40万円(生活費を含む) 1万円 1,000円 9,000円 月45人

自分の生活費まで確保したい場合は、固定費に生活費を加えて計算しましょう。

回収期間|初期費用を何か月で取り戻せるかを計算する

回収期間とは、開業時に使った初期費用を、毎月の利益で何か月かけて取り戻せるかを表す期間です。回収期間がわかれば、借入の返済計画や、次の投資のタイミングを考えやすくなります。

計算方法はシンプルです。初期費用を、毎月手元に残る利益で割ります。

初期費用 毎月手元に残る利益 回収期間
100万円 5万円 20か月
150万円 5万円 30か月
300万円 10万円 30か月(2年6か月)

ここでいう利益は、固定費や材料費、自分の生活費を払ったあとに残るお金です。

初期費用が大きいほど、取り戻すまでに時間がかかります。回収にあまりに長くかかる計画なら、業態や初期費用を見直すことも検討しましょう。業態を選ぶときは、初期費用の金額だけでなく、「何か月で取り戻せそうか」も比べてみてください。

参考:マネーフォワードクラウド会社設立「エステサロンを開業するには?手続きや資金、成功のための準備を解説」
https://biz.moneyforward.com/establish/basic/53696/

美容サロンの開業資金が足りないときは?公庫調査の平均と融資・補助金での集め方

業態を工夫しても、手持ちの資金だけでは足りないこともあるでしょう。そんなときは、融資や補助金を組み合わせて資金を集める方法があります。

ここでは、日本政策金融公庫の調査データから、実際に開業した人がどれくらいのお金で、どのように資金を集めたのかを確認します。そのうえで、融資と補助金の特徴と、補助金を利用するときの注意点を解説します。

公庫調査で見る開業費用と自己資金の平均|500万円未満で開業した人は約4割

日本政策金融公庫の「2025年度新規開業実態調査」によると、開業費用の平均は975万円、中央値は600万円でした。ただし、この調査はサロンに限らず、幅広い業種を対象にしています。

注目したいのは、開業費用の分布です。

開業費用 割合
250万円未満 20.1%
250万〜500万円未満 21.7%
500万〜1,000万円未満 28.5%
1,000万〜2,000万円未満 18.8%
2,000万円以上 10.0%

500万円未満で開業した人は、合わせて約4割にのぼります。平均の975万円は、一部の高額な開業に引き上げられた数字なのです。

なお、自己資金の平均は279万円でした。平均の数字だけを見て、臆する必要はありません。

開業資金の約7割は借入|自己資金と借入の組み合わせ方

同じ調査では、開業時に集めた資金の平均は1,219万円でした。その内訳を見ると、多くの人が借入を活用していることがわかります。

資金の出どころ 平均額 割合
金融機関などからの借入 827万円 67.9%
自己資金 279万円 22.9%

開業資金の約7割は借入でまかなわれており、すべてを貯金で用意した人は多くありません。自己資金が少なくても、借入と組み合わせることで開業を目指せるのです。

ただし、融資の審査では、開業に向けてどれだけ準備してきたかも見られます。美容業界での勤務経験や、毎月コツコツ貯金してきたことがわかる通帳は、計画性を示す材料になるでしょう。

借入は開業後に返していくお金です。前の章で紹介した損益分岐点や回収期間をもとに、無理なく返せる金額にとどめてください。

日本政策金融公庫の創業融資と自治体の制度融資を比べる

開業資金を借りる方法として、代表的なのが日本政策金融公庫の創業融資と、自治体の制度融資です。2つの違いを表で確認しましょう。

項目 日本政策金融公庫の創業融資 自治体の制度融資
貸してくれるところ 日本政策金融公庫(国が出資する金融機関) 銀行や信用金庫など
仕組み 公庫が直接貸し出す 自治体・金融機関・信用保証協会が連携して貸し出す
保証 担保や保証人は相談して決める 信用保証協会の保証を受けるのが一般的
特徴 開業前や開業直後でも申し込みやすい 自治体が利子や保証料の一部を補助してくれる場合がある
相談先 公庫の支店 自治体の窓口や金融機関

どちらが向いているかは、住んでいる地域の制度や、必要な金額、開業までのスケジュールによって変わります。両方に相談して、条件を比べてみるのがおすすめです。

公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」の詳しい内容は、関連記事「サロン独立するには?必要な資金と準備、貯金が少なくても独立する方法」で解説しています。

小規模事業者持続化補助金〈創業型〉など、返済不要の補助金・助成金

補助金や助成金は、融資と違って原則として返済が不要なお金です。美容サロンの開業で検討したいものの一つに、「小規模事業者持続化補助金〈創業型〉」があります。

この補助金は、創業して間もない小規模事業者が、お客様を増やすための取り組みにかかる費用の一部を補助する制度です。たとえば、チラシの作成やホームページの制作などが対象になり得ます。

申請するには、主に次のような条件があります。

  • 市区町村などが行う「特定創業支援等事業」(創業セミナーなど)の支援を受けていること
  • 支援を受けた日と開業日が、公募の締め切りから過去1年以内であること

補助の上限額や補助率、対象になる経費は公募の回ごとに変わるため、最新の公募要領で確認してください。地域の商工会議所や商工会に相談すると、申請の流れを教えてもらえます。このほか、自治体が独自に創業者向けの補助金や助成金を用意している場合もあります。

補助金は原則後払い|開業時の支払いには別の資金が必要

補助金を利用するときに注意したいのが、お金を受け取るタイミングです。多くの補助金は、事業を終えたあとに経費を精算して支払われる「後払い」の仕組みになっています。

小規模事業者持続化補助金〈創業型〉も、事業終了後の精算払いです。申請が採択されても、すぐにお金が振り込まれるわけではありません。チラシの作成費などをいったん自分で全額支払い、報告や審査を経てから補助金が振り込まれます。

流れを整理すると、次のとおりです。

  • 補助金に申請し、採択される
  • 対象となる経費を自分で支払う
  • 事業を終えて報告する
  • 審査を経て、補助金が振り込まれる

開業時の支払いを補助金に頼る計画では、お金が足りなくなってしまいます。補助金は「後から一部が戻ってくるお金」と考え、先に支払うお金は自己資金や融資で用意しておきましょう。

参考:日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kaigyo_251205_1.pdf
参考:小規模事業者持続化補助金〈創業型〉事務局「小規模事業者持続化補助金<創業型>」
https://r6.jizokukahojokin.info/sogyo/

少ない自己資金で美容サロンを開業するならエクシアも選択肢に

ここまで、美容サロンの開業資金を抑える方法と、足りない資金の集め方を見てきました。「まとまった貯金を用意するのは難しいけれど、自分のお店を持ちたい」という人にとって、選択肢の一つになるのが本部の支援を受けて開業する方法です。

ここでは、セルフホワイトニングサロン「エクシア」が、開業資金や運転資金を抑えたい人に向いている理由を紹介します。

自社開発の機材・溶剤で、機材費と材料費を抑えやすい

エクシアでは、ホワイトニングに使う機材と溶剤を自社で開発しています。外部から仕入れる必要がないため、開業時の機材費と、開業後の材料費の両方を抑えやすい仕組みです。

この記事で見てきたように、美容機器は開業資金の中でも大きな割合を占めやすい費用です。材料費も、お客様1人ごとにかかるお金として、損益分岐点に直接影響します。

機材費と材料費を抑えられれば、次のような効果が期待できます。

  • 初期費用が小さくなり、回収までの期間を短くしやすい
  • 1人あたりの材料費が下がり、お客様1人から残るお金が増えやすい

さらにエクシアでは、すでに持っているスペースを使って開業することも可能です。物件取得費を抑えたい人にとっても、検討しやすい選択肢といえるでしょう。

月額制で売上の見通しが立ちやすく、運転資金の計画を立てやすい

エクシアのサロンは、お客様が定額で通い放題になる月額制を採用しています。会員が増えるほど毎月の売上が積み上がっていくため、売上の見通しを立てやすいのが特徴です。

来店のたびに料金をいただくお店では、翌月にどれだけ売上が入るかを予想しにくくなります。月額制であれば、通い続けている会員の数から、翌月の売上をある程度予想できるでしょう。

また、本部に支払うロイヤリティは、売上に連動しない定額制です。売上が伸びても支払額は変わらないため、毎月の支出を計算しやすく、会員を増やした分は利益として残りやすくなります。

売上と支出の見通しが立てば、運転資金を何か月分用意すべきかも判断しやすくなるはずです。開業後のお金の管理に不安がある人にとって、心強い仕組みといえます。

集客マニュアルがあり、広告費をかけすぎない運営を目指せる

エクシアでは、集客の方法をまとめたマニュアルを用意しています。ホットペッパー、ミニモ、Instagram、Googleマップについて、ページの作り方から日々の運用までが対象です。

この記事で紹介したように、集客費は削りすぎると開業後にお客様が集まらない原因になります。一方で、何にどれだけお金をかければよいかがわからないと、広告費がふくらんでしまいがちです。

マニュアルに沿って運用すれば、次のようなメリットがあります。

  • InstagramやGoogleマップなど、無料で使える集客方法を活用できる
  • どこにお金をかけるべきかの判断に迷いにくい
  • 自己流で試行錯誤する時間とお金を減らせる

加えて、営業を支援する勉強会や、数字の進み具合を確認する面談もあります。本部と一緒に、集客のやり方を見直していける環境です。

資金負担を抑えた独立の形は、資料請求・説明会で確認できる

エクシアでは、自己資金が少ない人でも独立を目指せるよう、資金負担を抑えた独立の形を用意しています。テナントでの開業をあきらめていた人でも、意欲や接客力を生かして、サロンオーナーへの挑戦を検討できる仕組みです。

この記事で見てきたように、開業資金は業態の選び方や内訳の見直しによって大きく変わります。とはいえ、自分一人で物件や機材、集客の方法を一から考えるのは、簡単ではありません。

本部の支援を受けて開業する形なら、資金面と運営面の両方でサポートを受けながら準備を進められます。費用や契約の形など、具体的な条件は資料請求や説明会で確認できます。資金面で悩んでいる人は、夢をあきらめる前に一度問い合わせてみてください。

まとめ:美容サロンの開業資金は、業態選びと内訳の見直しで抑えられる

美容サロンの開業資金は、相場記事の「1,000万円」という数字だけにとらわれる必要はありません。自宅サロンなら70万〜100万円程度、テナントなら200万〜600万円程度が目安です。レンタルサロンを使えば、家賃を抱えずに始めることもできます。

開業資金を抑えるには、物件の広さや居抜き物件、機材のリースなどを見直すことが効果的です。ただし、水回りや電気、機器の安全性、開業直後の集客、保険は削ってはいけません。運転資金も、6か月分程度を目安に用意しておきましょう。

足りない分は、融資や補助金を組み合わせて集める方法もあります。少ない自己資金で開業したい人は、エクシアの資料請求や説明会で、具体的な条件をぜひ確認してみてください。